イタリア国家憲兵隊カラビニエリのために誕生したサブマシンガン「 ベレッタPMX 」がガスブロで登場
UMAREX(ウマレックス)がIWA Outdoor Classics 2023で新製品として発表したガスブローバック・サブマシンガン ベレッタPMX がいよいよ発売開始となった。ベレッタ(Beretta)といえば、米軍が長年サイドアームとして採用していたM9ピストルを知らない人は少ないと思うが、現存する世界最古の銃器メーカーとして有名である。M9ピストルの知名度がありすぎるが故に他のモデルはあまり知らないというサバゲープレイヤーも多いが、競技射撃や狩猟など散弾銃を扱う人にとっては確実な動作と命中精度で信頼性が高く、数百年と長きに及ぶ同社の歴史は伊達ではない。
PMXはベレッタ最新の9×19mmサブマシンガンで、イタリア軍を構成する4軍のひとつ、国家憲兵隊カラビニエリの要請により開発されたモデルである。ガスブロ化にあたってはBERETTA正式ライセンスを取得しておりディテールや刻印もリアルに再現。老舗ベレッタらしい機能美をガスブローバックでも堪能できるエアソフトガンとして注目が集まっている。
BERETTA PMXとは?
イタリア国内の治安維持を主任務とする法執行機関でありつつ、有事の際には憲兵や戦闘部隊としても活動するイタリア国家憲兵隊「カラビニエリ(Carabinieri)」は、サブマシンガンにベレッタM12を長年採用していた。M12は生産コストが抑えられているにも拘わらず、ボルト駆動の滑らかさをはじめ標準フォアグリップによる反動制御やグリップセーフティ搭載の安全機構など信頼性が高く優秀な短機関銃である。しかし、オープンボルト方式やスチールプレス製ボディの重量感など1959年開発という設計の古さは否めず、後継機種の開発が求められていた。
カラビニエリからは、M12の後継機への要望して「軽量化」と「最低限の訓練で適応できること」が挙げられていた。ベレッタはその要望に応えるべく、ポリマーやアルミ合金を用いたレシーバーで重量を抑えつつ、M12同様に水平方向に折り畳めるストックや、フォアグリップが装着できるようレールシステムを備えた現代的なサブマシンガン、PMXを開発した。
ベレッタPMX はM12とほぼ同じサイズで設計されているものの重量は1kgほど軽くなり、現代では一般的なクローズドボルト方式を採用した。グリップ・セレクター・マガジンの位置関係はM12に近いレイアウトを継承しており、現代的な外観ではあるがM12の後継機として移行しやすいデザインを実現している。20mmピカティニーレールはフォアグリップのためだけでなく、光学機器など各種アクセサリーの搭載もできるようトップレールを中心にハンドガード周りもクワッドレールを配置している。
カラビニエリの人員数約11万人に対し ベレッタPMX の発注数はまだ数千挺と少ないが、先代のM12が中東・アジア・南米・アフリカと様々な国へ輸出されていたことを考えると、後継機として開発されたPMXもまた国際的な展開の可能性が考えられるサブマシンガンである。実際、PMXは2018年頃から生産がスタートしたばかりで実績も少ないが、既にサウジアラビア王室警備隊やマレーシアのパラシュート旅団からも発注を獲得しており、今後も活躍の場が広がることが期待される。
ベレッタPMX ガスブロの概要
ベレッタPMX ガスブローバックは、先述の通りUMAREXがBERETTAと正式ライセンス契約を交わしているため、一部のエアソフト製品としての表記を除きリアルディテール、リアルマーキングとなる。グリップにはベレッタを象徴するDARE IN BROCCAの3本矢ロゴマークも刻印される。設計・製造は、同じポリマーレシーバーであるB&T MP9ガスブロの製造実績を持つKWAが行い、成熟した内部機構により弾道や動作性など安定した性能を持っている。
レシーバーは、外装のグラスファイバー強化ポリマーの内部にアルミフレームを組み合わせ軽量で堅牢。異なる素材を複合して設計した点だけでなく、重量やテイクダウンの仕方もほぼ実銃と同じというこだわり様だ。M4/AR15のようにトリガーやハンマー周りはロアレシーバーに、ボルトキャリアやチャンバーはアッパーにまとまっており、構造の理解やメンテナンスもしやすいだろう。
ただし、海外のガス圧を踏まえての仕様のためか、個体により気密を緩くしてある状態の物も散見される。オルガエアソフトで販売する製品については動作・初速チェックを行い、日本のガス圧でも問題なく使えるよう気密調整を行っているので安心して購入していただきたい。
軽量なアルミ製ボルトキャリアにはスムーズな動作のためローラーが配置されており、サブマシンガンらしい軽快で鋭いブローバックを実現。ボルトキャリアに直接設置するチャージングハンドルは左右差し替えが可能で、現代では必須とも言えるアンビシステムに対応。そのほかセレクターとマガジンキャッチも常時左右どちらでも操作が可能となっている。ボルトキャッチレバーだけはアンビデザインではなく左面のみ設置となる。
本体重量を抑えるため金属パーツの多くにはアルミニウムが使用されているが、負荷のかかるパーツはしっかりスチールとなっているので耐久性も問題ないだろう。
出典:Youtube:@user-rw3su1mj3m より
ハイダーはHK MP5と同じ3ラグ仕様となり、VFC系MP5用のサイレンサーであれば装着が可能。またハイダー自体はアウターバレルに12mm正ネジで取り付けられているため、14mm逆ネジアダプターを介することでお好みのサイレンサーの装着も可能だ。
マガジンについてはKWA MP9と共通となるが、マガジンのバージョンによってはPMXのボルトストップが掛からない場合があるため注意が必要だ。PMXに付属するマガジンと最新版の別売りスペアマガジンについては、MP9とPMXの双方でボルトキャッチが可動。
ホップアップ調整はMP9と同様にボルトがオープン状態のときに行うが、大型化されたホップダイヤルにより専用工具なしで調整が可能。
スペック
全長:637mm
重量:2,400g
インナーバレル長:121mm
ファンクション:セミ/フル
装弾数:48発
パワーソース:HFC134a、HFO1234ze
マットな質感のポリマーレシーバーや動作性の優れた内部パーツなど、 ベレッタPMX ガスブローバックの完成度は非常に高いレベルでまとまっている。老舗ベレッタ社の正式ライセンスを得たことも大いに頷ける内容だ。本格的なデザインと機能を両立させているため、ガンマニアにとって至上の1挺となること間違いなしの製品だが、武骨過ぎないビジュアルや軽量コンパクトな取り回しの良さ、分かりやすい操作性など、はじめて長物ガスブロに挑戦するビギナーや女性プレイヤーにもうってつけ。
サバゲーをはじめたてで銃への造詣がまだ浅く、デザインの良さなどで「取り敢えずの1挺」を選んだ場合、中堅~ベテランプレイヤーとなった時に愛着がなくなってしまう、なんて話はよく聞くサバゲーあるあるだが、架空銃でもなく他の実銃レプリカとも差別化されたデザインの ベレッタPMX は、あなたにとって長く愛用しても飽きの来ないガスブロとなるだろう。
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